それは無理!、むーりー!

昨夜のラジオ深夜便杏林大学国語学部の金田一秀穂教授が出演して、昨今の言葉事情について話題を提供した。
若い世代で用いられている「無理」や「ありえない」について
−「あの人と付き合ってみたら?」
−「それは無理、無理、絶対無理!」・・・など
「無理」は本来は物理的に不可能な状況を表した筈なのに、最近の若い人たちのは、どうも心理的な判断、何か頼まれたこと等に対して「いやである」場合に用いているように思われると。但し、方言では物理的な不可能と心理的な不可能を言い分けている例があって、例えば京都では、派手すぎて自分は着られないばあい「よう着ん」となり、寸法が合わない場合は「着られへん」というと。
うちの高2の息子も「ありえへん」は結構良く使っている。
筆者としては、相手に対して「それはいやだ」というのは感じが良くないので、「無理」という(原因はまあ此処では明確にしないけども兎に角むずかしいのだというニュアンスの)客観的な言い回しを使うことを発見したのではないか、つまり、そこには旧世代よりも人間関係にデリケートな世代に特有な相手に対する配慮の痕が見られると考えてみたい。
或いは、「無理」というのは「自分の中でそれは不可能!」というのではなく、相手に対して「無理なことを言っているよ、あなたは」というように、良し悪しの土俵を相手側に押し返す表現とも考えられる。
いずれにしても、実際に使っている本人達へのインタビューなど取材を試みた上で再度分析して頂きたい題材である。