新日曜美術館メモ(2007.1.7)「松田権六の一日一図案」

1月7日降雪

漆芸界の巨匠、松田権六と“一日一図案”について:
“伝移模写”に徹するとして正倉院などの事物から古典技法を学び、長く絶えていた「引掻(ひっかき)」技法を復活させた。
一方で、“一日一図案”を実践してオリジナルのデザインを重視し、独自のモダンな作品を生み出した。黒以外の色漆の技法もその一部。新しい画材は積極的に研究し、取り入れた。
弟子にも一日一図案の実践を促し、同時に、弟子の作品の長所を指摘することはあれ、けなすことは一切しない優れた教育者でもあった。
「図案が写実的過ぎないこと」を尾形光琳に学んだ。
漆では未だに出すことのできない白を卵殻技法で表現した。特に、集大成といえる「蓬莱の棚」では鶴の白い部分に鶏卵ではなく鶉の卵殻を用いて、細かな凹凸感を出した。酸化によって黒化する銀の代わりに白金を用いた。
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・今週のアートシーン
 海北友松
 梅原藤坡の「水辺首夏」